FLOWERS & FASHION in PARIS
TIMELESS BEAUTY
FLOWERS & FASHION HISTORY
ファッションの都パリ。パリがファッションの中心となった歴史は17世紀中頃まで遡ります。ルイ14世が色彩鮮やかなスタイルを築き、ヴェルサイユ宮殿が発展の舞台となりました。
特にファッションが開花した18 世紀のパリは「花の時代」と言われ、ファッションや芸術の中心にはいつも花がありました。ルイ15世の妾のポンパドゥール夫人やルイ16世の王妃マリーアントワネットはファッションリーダーとして、特にバラを愛で、ロマンティックで繊細なファッションや文化を後世に伝えることとなりました。
FASHION &
ARTIFICIAL FLOWER
ポンパドゥール夫人はアート・ディレクターのように、花を中心としたロココ文化・芸術の発展に大きく貢献しました。
ファッションでの花の楽しみ方としては、ドレスの模様だけでなく、頭や胸、袖口に造花をふんだんに飾り、華やかに装いました。
造花は主に中国から輸入したシルクでつくられていました。ポンパドゥール夫人の造花を楽しむ姿に憧れて、貴婦人たちも、髪やドレスを花々で飾りました。造花が手に入らない貴婦人たちは、生花を水の入った小瓶に入れて、髪の中などに仕込んで、飾りつけ、水がこぼれないように気を付けながら、ファッションの美を追求しました。
COMFORTABLE
FASHION
バラを愛したマリーアントワネットは豪華なドレスから、次第に、簡素で動きやすいシュミーズ・ドレスを好むようになりました。次のファッションリーダー、そしてバラの母とも言われるナポレオン1 世の皇妃ジョセフィーヌもこの簡素なドレスの形を好んで着用しました。
コルセットを着用せず、心地よくリラックスして過ごすことができるこのドレスのシルエットは、彼女達の自由な生き方が象徴されているかのようです。のちに、ポールポワレやシャネルがつくった女性に心地よさをもたらす革命的な装いの原型は、この頃生まれていたのです。
バラなどの花のモチーフについては、裾の部分にのみに刺繍が施されるなど、控えめで洗練された雰囲気で表現されました。
COLORS &
ESPRIT
花とともに色彩も大切にしていたファッションリーダー、ポンパドゥール夫人、マリーアントワネット、ジョゼフィーヌには、それぞれにちなんだローズの色名が存在し、現在もフランスの伝統色として愛されています。
例えば、ポンパドゥール夫人は、ルイ15世の心を掴むために、青色の馬車に乗るときはピンクのドレス、ピンクの馬車に乗るときは青のドレスを着たという逸話もあるように、どんなときも、色彩や配色の力を大切にしていました。
色そのものはもちろん、色名の背景にあるストーリーから、美のインスピレーションが豊かに広がります。
TIMELESS
パリのファッションと花のストーリーは、この後、19世紀、20世紀そして、現代へと伝統と革新をもって展開されていきます。
その中で、ファッションの形や色、デザインそのものの美しさだけでなく、どんな状況でも自らの心地よさを大切にする生き方の美意識を見いだすことができ、クリエイティビティと愛を感じることができるのです。