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The TRADITIONAL COLORS of JAPAN
TIMELESS BEAUTY
BEAUTY & COLORS
「もののあはれ」と色彩
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古代から日本人には自然の美を愛でる心がありました。平安時代には、自然や日常の移り変わり、無常や儚さにも美を見いだす「もののあはれ」という美意識が育まれました。また、その美意識を反映した色名も多く生まれました。
ここでは、朽ちていく葉の儚い美しさをあらわした色名とそのバリエーションについて、ご紹介します。
朽葉色
KUCHIBA IRO ●
平安時代、枯葉のような渋い色は、朽葉色(●#917347)と表現されるようになりました。この色名は、重ねの色目にも登場し、平安朝の人々に愛されていました。朽葉色は、朽葉48色といわれるほどバリエーションに富んでいます。
日本以外でも、枯葉をあらわす色として、フランス語には「フーイユ・モルト(●#B54232 枯葉色)」という色名がありますが、朽葉色のようにバリエーションはありません。
色彩のグラデーションやバリエーションを表現した平安の人々の情感溢れる「もののあはれ」の美意識の繊細さに、心動かされます。
KUCHIBA 48
朽葉48色
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朽葉48色のバリエーションには、赤朽葉(●#DB8449)、黄色朽葉(●#D3A243)、青朽葉(●#ADA250)、淡朽葉(●#E4B267)、濃朽葉(●#E07400)などといった色名があります。たとえば、赤朽葉は、源氏物語の第21帖「乙女」に平安貴族の女児が来た上着の色として登場しています。季節の葉の色を身にまとう平安時代の美を感じることができます。
季節の移り変わりの美をあらわす色名は、平安時代以降、他にも多数生まれています。日本の色彩の繊細さは、時を超えて、世界のアーティストやメゾンからも注目を集め、愛されています。
日本独特の「もののあはれ」の美意識の深さと絶妙な味わいに、心ときめきます。
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